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曽根富美子「親なるもの 断崖」のあらすじと感想

      2017/03/31

親なるもの 断崖

今、曽根富美子先生の「親なるもの 断崖」が女性を中心に流行っているのをご存知ですか?

1992年の日本漫画家協会賞の優秀賞を受賞した作品で、この「親なるもの 断崖」で曽根富美子先生は名を不動にした出世作品です。

女性のどろどろとした人間関係、感情移入できること、史実であるということから女性を中心に人気がでているようです。

今回は曽根富美子先生の「親なるもの 断崖」のあらすじと感想、ちょっとしたネタバレを紹介していきたいと思います。

「親なるもの 断崖」は絶版になっているのですが、電子書籍で復活(スマホからのみアクセス可)しています。
(追記:今なら1話目は無料で読めるので、気になる方は↑のサイトで「親なるもの」で検索して読んでみてください。)

開拓時代の北海道が史実に基づいて描かれている

第一部と第二部で完結する漫画作品です。

漫画だからといって侮っていはいけません。

読まれるとわかるのですが「面白い」とか「悲しい」、「残酷」といった感情が読み手の私達にも伝わって思わず感情移入してしまう作品になっています。

描かれている時代背景としては、戦前~戦後の日本が描かれています。
とりわけ、この時代の日本は世界恐慌を受けて日本国内が非常に貧しくなってしまったという時代です。

今では信じられないと思いますが、平然と人身売買が行われていた時代です。
(男は家を守るために売られなかったのですが、女性は遊郭に売られていたそうです。)
この時代は政府が公認したいた遊郭が存在していたので、父親が家族を食べさせるために小さい娘が売られて遊郭で働くようになるというのは当たり前の時代だったのです。

遊郭は日本で、売春防止法施行まで日本に存在した政府が公認の遊女屋です。

第一部は室蘭の幕西遊郭での壮絶な人生が描かれています

第一部は、北海道室蘭市に実際にあった幕西遊郭に青森から少女4人(松恵16歳、武子13歳、梅11歳、道子11歳。)が売られてくるところからはじまります。

幕西遊郭が発達した背景として、北海道開拓の一貫として鉄道工事が大規模に行われていました。
これにより、室蘭市にはタコ部屋と呼ばれる重労働を行う男性居住者が多くなり幕西遊郭が発達していったみたいですね。

物語は松恵16歳、武子13歳、梅11歳、道子11歳の4人を中心に描かれていくのですが、内容があまりにも悲しすぎて最初はなかなか読み進むことができませんでした。

この4人の少女は顔の容姿、女としての成長度合いで、芸妓、女郎、下働として幕西遊郭での人生をスタートしました。

16歳で、女としての魅力も備わっていた松恵は初日に女将に売り物にされ、女郎として男を相手にしたのですが、首吊り自殺をしてしまいます。

松恵の実の妹で第一部の主人公である11歳の梅は、姉の姿をみて姉の苦しみを全て自分が背負うことを覚悟し、初潮も迎えていない11歳で女郎となります。
そして、室蘭一の売れっ子女郎となっていきます。

容姿も良く、頭も切れる武子は、女性の職場ではよくある嫉妬にあい、お姉さま達から殴られるなどの暴行や嫌がらせをうけるのですが、持ち前の忍耐力と頭を使い生き残っていきます。

そして、容姿に恵まれていなかった道子は、自ら志願して最下層の別の女郎屋に移り念願の女郎となるのですが、もともと栄養失調だったこともあり、体が余り発達せず悲しい最後、結末をとげることになります・・・

第二部は梅の娘である道生の話!

梅は日本製鉄の社員であった大河内茂世と結婚して道生(みちお)を出産する。

大河内茂世は軍国主義の時代にあって平和主義を唱える異端児でもありました。

第二部はそんな梅と大河内茂世の間に産まれた道生を中心にストリーが展開していきます。

戦争とはなんだ?と考えさせられる内容になっています。

戦争前の貧しい日本の現実を描写した第一話とは異なり、戦争に突入していった日本のあり方を描写しているのが第二部です。

戦争時代に捕虜や強制連行された中国人、朝鮮人、タコ部屋労働者たちにも触れられています。
「親なるもの 断崖」が今流行っている理由の一つがここにあるのではないかと感じました。

今、日本では世界遺産登録でいろいろ騒がれていますが、その中には、戦争時代に捕虜や強制連行された中国人、朝鮮人の方がいたということを忘れてはいけないと思います。

「親なるもの 断崖」を読んだ感想は、絶対に読むべき作品ということです!

最初、軽い感じで読み始めたのもあり、あまりに悲しい内容に読みたくないと思いました。
さらに、悲しくなったのが松恵の自殺でした。
私は一度読むことをストップしてしまったのですが、心を動かされるものを感じ再び読み始めたのがはじまりでした。

いろんな人の感想に目を通していたのですが、読み終えてみんな同じ感想を抱くのがわかりました。

それは「絶対に読んでおくべき作品」ということです。

ほんの70年前の日本の現実の世界の話に基づいていることです。
日本を歴史を知ることができるのはもちろんのことですが、今生きている喜びを素直に喜ぶことができるようになれることです。

今希望をもっていない人でも、希望をもっていきよう、私は幸せなんだと感じることができる作品です。

個人的には番頭の直吉と梅との複雑な関係が気になりました。
直吉が梅を一人前の女郎にしたことは間違いないですし、梅が大河内茂世と結婚するとき一番内心では嫉妬していたと思います。

ぜひ、読んでみてください。

結末はご自身の目、頭で考えることが大事だということがわかります。

現在は、本は絶版になっているので、まんが王国の電子書籍(スマホからのみアクセスできます)で読むことができます。

まんが王国
(追記:1話目は無料で読めます。気になる方は↑のサイトで「親なるもの」で検索して読んでみてください。)

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